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2006年8月 6日 (日)

靖国は争点である

安倍ちゃんで決まりのポスト小泉争いにあまり興味を感じないのだが、昨日テレビPhoto_58でたまたま幹事長がまたまたデマゴーグ発言していたので、書く。
幹事長は「靖国参拝は首相であろうと個人であろうと平等に保障された信仰の自由の問題。だから総裁選の争点にすべきではない」と言う。

これは信仰の自由の一面としては正しい。しかし、信教の自由を保障している日本国憲法20条は次の3項からなっている。

  1. 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
  2. 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
  3. 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

総理であろうと官房長官であろうと「信教の自由は、何人に対してもこれを保障」される。すなわち、キリストであろうと釈迦であろうとイワシの頭であろうと何を信仰するのも個人の自由である。
しかし、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」という第3項が靖国参拝問題のキモである。総理とか官房長官は(国会議員も)「国の機関」であって、こういう 人たちが参拝することは「国及びその機関」の「宗教的活動」として厳禁されているのである。
これは、戦前日本が形式的には「信教の自由」を保障しながら実質的には天皇教=神道を国家の柱として特別扱いし、国民を戦争へと狩り立て悲惨な大日本帝国崩壊へと導いたことに対する切実な反省から生まれたものである。ただ単に個人の自由として保障するだけでは不十分であって、厳格な政教分離を維持することによって「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使」しない状況により個人の信教の自由を守り抜こうとしているのである(ちなみに公明党という政党が連立政権に参加しているのは創価学会による「政治上の権力の行使」に該当しないだろうか)。

だから、幹事長発言は憲法20条の一部のみを取り出して、小泉総理以下自民党国会議員諸氏(民主党にも靖国参拝する会参加議員あり)の憲法違反を誤魔化すデマゴーグである。靖国参拝したければ憲法を変えてから参拝しろ。

国家機関の明白な憲法違反が不問に附されるような国は、まともな立憲民主主義国家とはいえない。靖国問題は外交問題ではなく、国家の品格に関わる憲法問題なのだ。

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