3分でわかるジョン・ロック
ヒトは生まれたときは何の偏見・観念からも自由であり白紙(タブラ・ラサ)である。 他方、ヒトには生まれながらにして誰からも侵害されない権利=自然権(所有権、表現の自由その他他人に迷惑をかけない限りナニをしてもいい権利)があり、それを保護する手段としての国家を社会契約としてつくったのである。
だから、個人が目的→国家は手段にすぎない。
上記がストラザーン「90分でわかるロック」のエッセンス。ロックは、清教徒革命→王政復活→名誉革命の転変を生き抜き、プラトニズム打破の道を開いた哲学者である。
イデア(観念)は親の仇なり。聡明な哲学者は観念の罠に陥らないように様々な工夫を施したと著者は言う。スピノザは自分の哲学を意図的に難解なものとし、ソクラテスは何も書かなかった。そしてロックは「明瞭でわかりやすく、すぐ飽きてしまうような哲学を書」いた。
ナショナリズムでもイワシの頭でも大衆が熱狂するイデアほど始末の悪いものはない。民主主義と称するメディア社会では尚更である。だからイギリス人は経験論を発明したのだと思う。少しばっかり勉強しよう。どうせ入門書だけれど。
数十年前まで生きていた生身のヒトを死んだらカミにしてしまう国は、神と信仰を愚弄するものではないか、と思う今日この頃。西郷隆盛はカミにならなくてよかった。
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