反表象主義を理解してしもうた
このところお気に入りになりつつある冨田恭彦の「科学哲学者柏木達彦の春麗ら」を読む。読んだらアマゾンのカスタマーレビューを見る。現代英米系分析哲学の「はとバスツアー」。発車オーライ!, とレビューあり。ははっ(笑)となる。
しかし、これだけで済ましてはならぬ。
ローティの反表象主義。これがこの本で得たキーワードであった。ネット検索したけど端的にぐっと来るものがない。そこで、この本から引用し、外化しておこう。
ローティは、科学が世界を正確に表象しているがゆえに真であるという考えを拒否する。これは、科学に限らず、知識を獲得していると自認するすべての人間の営みについて、そうなんです。で、このような自らの立場を、ローティは、「反表象主義」と呼びます。
人間は、われわれの外なる自然を忠実に捉えるという意味で、科学を客観性志向の営みの典型としばしばみなしてきました。けれども、ローティによれば、科学は、与えられたものにうまく対処する方法を創り出そうという試みなんですね。
なるほど。そうなんだよね。客観性とは実は間主観性のことであり、だから俺はモデル論的転回の提唱において、
客観(間主観) ⇔ モデル ⇔ 実在
正当化された信念 情報
↑ ↓
←←←←概念モデル ← 経験
<価値世界> <概念世界> <事実世界>
という三層構造を提案したんだ。この三層構造は、客観性は実在の側ではなく、心(主観)の側にあるものだということを意味していたんだ。つまり、これが西洋主観主義の脱構築なんだ。と、手前味噌をする。我田引水なりけり。
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