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2006年11月25日 (土)

懐手の句

今日の二句目は「ドン・ファンと呼ばれて久し懐手」。
歳時記の懐手の項には「手の冷えを防ぐ意味があるが、多くは無精者のすることであまり見てくれのよいものではないが、和服特有の季節感はある」とある。歳老いて行く二枚目の哀愁と嫌味を拙句に感じて貰えれば、と誘導引用であった。Photo_333

そこで、例句をいくつか引く。

 懐手して説くなかれ三島の死      阿波野青畝
 夫と子をふつつり忘れ懐手       中村汀女
 懐手あたまを刈つて来たばかり    久保田万太郎
 出獄のけふきて午後のふところ手   秋元不死男

秋元が検挙されたのは昭和16年、京大俳句事件といわれる一連の俳人弾圧の一環だった。検索したら、きっこの日記で詳しく触れられている。歴史を繰り返させるな。
※写真は秋元不死男。日日光進  1月25日 獄から勝手拝借/感謝です。

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