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2006年11月10日 (金)

歳時記の悦楽、俳句の宇宙

今朝の定例行為、一段落した。
そこで、今朝の一句は

 咳すれど 四百四病の外にあり   多路十

この句の意味・背景等については上のブログを見て頂くとして、ここで言いたいことは歳時記の効用である。
すなわち、このように感じる句に遭遇すると、歳時記を引く。するとそこには、その季語に関してプロの句が並んでいる。「咳」の場合、たとえば次のような句である。

 ふるさとはひとりの咳のあとの闇       飯田龍太
 妻の留守ひとりの咳をしつくしぬ       日野草城
 咳の子のなぞなぞあそびきりもなや     中村汀女

他の句も眺めて、「咳」という言葉の意味(言語におけるその使用形態)が広がる。つまHousai り、俺の世界が広がるのである。

季語を核としたWorld Wide Webのごとき世界、それが俳句である。短歌(徹底的に私歌)と異なり、まさに宇宙である。そうそう、歳時記には載せてもらってない句でこんなのもある。

 咳をしても一人                 尾崎放哉

句表記を確認(「ひとり」ではなく「一人」が正しいようだ)するべくネット検索したら、俳句を作る。それは読み手がいることを前提としているように思えるのです。虚無に消える独り言ではなく、それを受け止める人がいると。に出会った。咳でこんなに悦楽できるなんて、俳句でビョーキ(しばらく)になりそうである。

※画像は放哉 孤高の詩(うた)から勝手拝借/感謝です。

  

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コメント

このような場にご紹介いただき、ぶるぶると恐縮しております。私の拙句が一つのきっかけになったとすれば嬉しい限りですが、私自身は非常に底の浅い人間でございます。買いかぶりなされるとのちのち大変なことになりますので、どうぞ取扱には十分ご注意の上、今後ともよろしくお付き合いください(^^)。

投稿: 多路十 | 2006年11月10日 (金) 午後 06時30分

こちらこそ、よろしくお付き合いをお願いいたします。決して買いかぶりはいたしません。根が慎重堅実寡黙な性格でありますから。

投稿: 土曜日の各駅停車 | 2006年11月11日 (土) 午前 05時51分

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