柏木達彦シリーズのお薦め
このところお気に入りの柏木達彦<小説仕立ての対話型読みやすい分析哲学入門>シリーズ@冨田恭彦を集中的に読んでいる。刊行順に並べると
(1)科学哲学者 柏木達彦の多忙な夏―科学ってホントはすっごくソフトなんだ、の巻
パラダイム論@クーンから始めて概念相対主義批判@デイヴィドソン、論理実証主義、クワインそして著者お気に入りの鏡的人間観批判@ローティに至る科学哲学入門編。
(2)科学哲学者 柏木達彦の冬学期(ウィンター・ターム)―原子論と認識論と言語論的転回の不思議な関係、の巻
これが一番面白い→後述。
(3)科学哲学者 柏木達彦の秋物語―事実・対象・言葉をめぐる四つの話、の巻
知識と事実の関係(理論負荷性)、指示理論、オースティン言語行為論、そしてアトランティス大陸の話。これが一番非お薦め、でも読んで損した気はしない。
(4)科学哲学者柏木達彦の春麗ら―心の哲学、言語哲学、そして、生きるということ、の巻
以前に読了→反表象主義を理解してもうた参照。
(5)科学哲学者・柏木達彦の番外編―翔と詩織、あるいは、自然主義と基礎づけ主義をめぐって、の巻
これから読みます。
で、(4)なのだけど、古代原子論→近世認識論的転回(デカルト・ロック・カント)→言語論的転回→その批判@ローティ自然主義主張という流れでそのまま「聡明で健気な貴女に捧げる哲学史」となっている。近々レポーティングの所存なり。
とにかく読みやすくわかりやすいのが何よりだ。ムツカシイ人は俺、キライ。
ちなみに、ウィトゲンシュタインはこのシリーズを通じて全く出て来ない。東にウィト@野矢茂樹、西に反ウィト@冨田恭彦かもしれぬ。
※画像は学園だよりから勝手拝借したプラトン(左)とアリストテレス(右)。近世哲学は反自然主義@プラトンに対する反逆@自然主義viaデカルトの歴史と思う今日この頃である。
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