寒椿の句
今日の季語は「寒椿(冬椿)」。まず、句を引こう。
海の日に少し焦げたる冬椿 高浜虚子
寒椿赤し一揆の血が流れ 関口ふさの
冬つばき世をしのぶとにあらねども 久保田万太郎
ふるさとの町に坂無し冬椿 鈴木真砂女
父も夫も師もあらぬ世の寒椿 桂信子
虚子の句は「焦げたる」が凄い。また、「海の日」との配合も常人では思いつかないだろう。まさに巨人である。
ひっそりと、しかし、自己主張しつつ咲く寒椿。以前から使ってみたい季語であった。
そこで、俺の句は「二枚目の頬に切り傷寒椿」。上五中七にいささか格調が欠けるが(切られの与三を想起するので)、立派に季語の注釈になっていると(例によって)自讃している。
俳句とは季語の注釈歳時記をひねもすのたり眺めたり
※写真は有鄰 No.455 P2 座談会「文学都市としての鎌倉」 (2)から勝手拝借/感謝です。
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