木の葉髪の句
実は(恥ずかしながら)つい最近まで「木の葉髪」とは白髪混じりの髪のことだと思ってい た。ところが歳時記に「抜け毛が目立つ初冬に、髪を同じく初冬に散る木の葉になぞらえていう語」とあるのを発見して、なるほどと思った。白髪と落葉とは色違いだもんね。
そこで今朝の句は「木の葉髪てつぺんばかり脱け落ちて」。
床屋で出来具合を鏡で見せてくれるのがイヤだ。たまさか機嫌がいい時は「てっぺんを見せてくれ」と頼むこともあるが。
木葉髪わが反骨は痩せざるや 林 翔
木の葉髪泣くがいやさにわらひけり 久保田万太郎
富めるとも心貧しき木の葉髪 上野泰
木の葉髪うたひ歎くやをとこらも 三橋鷹女
写真は鷹女。「鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし」「白露や死んでゆく日も帯締めて」の作者である。禿頭になろうと惚けになろうと凛としてゐたし。
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