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2006年12月24日 (日)

玉井清弘

今年中には終らんかったなあ「一人一首」105歌人一首紹介駄文企画。
今日の玉井清弘が74人目。このところ俳句で熱中でペースも落ちている。一週一人としてあと30人で30週。連休前後に目出度く終了の見込みか。

さて、玉井清弘。2006年度香川県文化功労者という歌人である。

 夜の海をこえゆく船にうつりいるテレビ静かに火事うつしおり

俳句的感性が身につきはじめた証左なのか、短歌においてもまず取り合わせが目につくようになった。この歌でいえば「夜の海」「船」「テレビ」「火事」が取り合わせである。そしてなかんずく「静かに火事」である。
景を表現して情に訴える。まさにそのお手本のような歌がこの歌だ。夜のフェリーのテレビに火事のニュースが映し出されている。しかも音声は低く、もともと乗客も少ない上に、テレビ画面に関心を寄せる人もいない。そんな情景である。
ここから何を受け取るかは読者に任されている。短歌も俳句もすべからく一行詩は省略という基礎の上に成立しているのである。

この作者の自撰五十首にもこのような地味かつ滋味な歌が並んでいる。繰り返し読んでも飽きない一行詩、それが名句秀歌である。

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コメント

いつも拝見していますが、今日は「玉井清弘」さんが採りあげられたので、コメントします。
私の第一歌集『茶の四季』を出したとき、角川書店月刊誌「短歌」誌上で一ページの批評をしていただいたのが彼です。
私のホームページ
http://www.yamashiroen.co.jp/sohya/tea.html
の自選歌につづくところで見られます。
今も恩人として礼を尽くしてお付き合いいただいております。
Doblogからもリンク出来ます。
では。また。

投稿: sohya | 2006年12月26日 (火) 午後 03時16分

いつも見て頂いているとのこと、まことにありがとうございます。
そしてまた、玉井清弘さんとのご縁のこと、興味深く拝見し、お歌、玉井さんの書評を拝読しました。

野遊びの緋の毛氈にかいま見し脛の白さよ無明のうつつ

中でも上の歌に心を惹かれました。落ち着いた韻律と選び抜かれた言葉に感嘆しております。是非あやかりたく、今後とも折りにふれてよろしくお願いいたします。

投稿: 土曜日の各駅停車 | 2006年12月27日 (水) 午前 04時52分

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