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2006年12月13日 (水)

雑炊の句

フレーズを得てから季語を探すというのが俺の場合、90%ぐらいかなあ。いや、95%かもしPhoto_391 れぬ。そんな中で今朝の句は、季語「雑炊」を歳時記で発見して句を得た少数ケースである。
 雑炊や立身出世なかりけり

しかし、この句、負け犬の遠吠え→ちょっと僻みっぽく聞こえる(実際、そうなのだけれど)。そこで、語源を調べてみた。

まず、立身であるが、これは小学唱歌「仰げば尊し」の「身を立て名を上げ」をすぐ連想する。しかし、加地伸行「教養」は死んだかによると、孝経に「身を立つるには道を行い、名を後世に揚げ、以って父母を顕すは、孝の終なり」とあり、立身とは人の道を行って名を後世に恥じなくする孝行の到着点というのが本意とのことである。
つまり、今日の意味でいう社会的名声を得るという意味の立身とは意味が異なるのである(実は加地の本を読んだばかりで「立身出世」がすぐ句になったという事情があるのだが)。

次に「出世」の語源は仏教だそうである。出世は、仏教用語で「俗世間の煩悩(ぼんのう)を解脱(げだつ)し悟りを得ること」を意味する「出世間(しゅっせけん)」が略された言葉である。とある。

要するに立身出世とは、道を行うことにより父母に孝を尽くし、悟りを得ることなのである。とすれば、「立身出世なかりけり」は俺の場合、事実に相違している。これは虚構句であると俺は強弁したいということになるのである。

 雑炊や後生大事といふことを       高浜虚子
 雑炊もみちのくぶりにあはれなり     山口青邨
 ざふすいやあすの嘆きはあすのこと   向田貴子
 雑炊や世をうとめども子を愛す      小林康治

一番最後の句がいいなあ。俺には子がないから「雑炊や世をうとめども吾を愛す」となるしかないけれど。

※画像は博客來書籍館儒家大師孔子から勝手拝借/感謝です。

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