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2006年12月10日 (日)

冬晴れの句

作句、特に写生は素直が一番、を実感した。Photo_382
というのも今朝の句「冬晴れや丹沢越しに富士の山」。

この初案は「白雪や丹沢越えに富士の山」。富士の白雪が丹沢山系越えに見えるというのが句意(主題・思想)なのだが、富士の白雪が上五、下五に分裂状態で気に入らぬ。
そこで、「丹沢を従卒にして雪の富士」とか「のぼりきて白富士のあり息白し」とか「のぼりきて紅富士見れば息白し」こねくり回してどれもいまいちで在庫していた。
しようがない、「紅富士は丹沢越しに息白し」で投句しようとコメントを書いていたら、初案の方がよく見える。そこで投句中止、歳時記で季語を探して本句となった。

写生のお手本のような名句である(誰も言うてくれへんから自分で言わなシャアナイやろ)。ついでに同時作の短歌。
 天気良き日は横山に上り来て富士の白雪眺めて下り来

うちの近くの多摩丘陵よこやまの道なるハイキング道がある。ハイキング道の名所に「防人見返り峠」なるネーミングの展望台があり、そこで富士を眺めるのが我が朝Walkの一ルートである。

 冬晴や立ちて八つ岳を見浅間を見      高浜虚子
 冬晴れて那須野は雲の湧くところ       渡辺水巴
 冬晴を愛す厠の窓からも            谷野予志
 冬麗や赤ン坊の舌乳まみれ          大野林火

俺は関西生まれの関西育ちだが、関西に富士・箱根・伊豆が無いのが癪の種だ。
好きやねん、大阪。嫌いやねん、東京。

※画像は梅原龍三郎 富士 | 銀座画廊おいだ美術 絵画販売・買取から勝手拝借/感謝です。

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