冬晴れの句
作句、特に写生は素直が一番、を実感した。
というのも今朝の句「冬晴れや丹沢越しに富士の山」。
この初案は「白雪や丹沢越えに富士の山」。富士の白雪が丹沢山系越えに見えるというのが句意(主題・思想)なのだが、富士の白雪が上五、下五に分裂状態で気に入らぬ。
そこで、「丹沢を従卒にして雪の富士」とか「のぼりきて白富士のあり息白し」とか「のぼりきて紅富士見れば息白し」こねくり回してどれもいまいちで在庫していた。
しようがない、「紅富士は丹沢越しに息白し」で投句しようとコメントを書いていたら、初案の方がよく見える。そこで投句中止、歳時記で季語を探して本句となった。
写生のお手本のような名句である(誰も言うてくれへんから自分で言わなシャアナイやろ)。ついでに同時作の短歌。
天気良き日は横山に上り来て富士の白雪眺めて下り来
うちの近くの多摩丘陵によこやまの道なるハイキング道がある。ハイキング道の名所に「防人見返り峠」なるネーミングの展望台があり、そこで富士を眺めるのが我が朝Walkの一ルートである。
冬晴や立ちて八つ岳を見浅間を見 高浜虚子
冬晴れて那須野は雲の湧くところ 渡辺水巴
冬晴を愛す厠の窓からも 谷野予志
冬麗や赤ン坊の舌乳まみれ 大野林火
俺は関西生まれの関西育ちだが、関西に富士・箱根・伊豆が無いのが癪の種だ。
好きやねん、大阪。嫌いやねん、東京。
※画像は梅原龍三郎 富士 | 銀座画廊おいだ美術 絵画販売・買取から勝手拝借/感謝です。
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