冬深しの句@冬深む人間ひとり一人哉
「枯木坂無言で歩く老二人」の後続句。
冬深む人間ひとり一人哉
無言でウォーキングする老夫婦を見かけて、でも死ぬときはそれぞれ別なんだろうなあと思ったら「人間ひとり」。これに「一人哉」をつけたら十二音。あとは季語を接着すればよしという形成過程だ。こんなんでええかなあと思いつつ、ナルちゃん俺は割りと気に入っている。「汝は黙し吾も黙したり冬の雨」の後続句にもなっているしね。
冬ふかむ父情のふかみゆくごとく 飯田龍太
冬深し海も夜毎のいさり火も 八木絵馬
冬深む蒼空ばかり身延線 森 澄雄
冬深む無頼にも似て独りなる 野澤節子
野澤節子は脊椎カリエスで長い闘病生活を送った。「せつせつと眼まで濡らして髪洗ふ」がある。生老病死(四苦八苦の四苦)は人に実存を気づかせる。
※画像は涅槃画像。長松寺大間(おおま)、向拝(ごはい)天井絵及び涅槃(ねはん)画像-高崎市から勝手拝借/感謝です。キリストと釈迦の最後は格別に異なるんだなあ。
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