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2007年1月19日 (金)

冬深しの句@冬深む人間ひとり一人哉

「枯木坂無言で歩く老二人」の後続句。Photo_525

 冬深む人間ひとり一人哉

無言でウォーキングする老夫婦を見かけて、でも死ぬときはそれぞれ別なんだろうなあと思ったら「人間ひとり」。これに「一人哉」をつけたら十二音。あとは季語を接着すればよしという形成過程だ。こんなんでええかなあと思いつつ、ナルちゃん俺は割りと気に入っている。「汝は黙し吾も黙したり冬の雨」の後続句にもなっているしね。

 冬ふかむ父情のふかみゆくごとく    飯田龍太
 冬深し海も夜毎のいさり火も       八木絵馬
 冬深む蒼空ばかり身延線        森 澄雄
 冬深む無頼にも似て独りなる      野澤節子

野澤節子は脊椎カリエスで長い闘病生活を送った。「せつせつと眼まで濡らして髪洗ふ」がある。生老病死(四苦八苦の四苦)は人に実存を気づかせる。

※画像は涅槃画像。長松寺大間(おおま)、向拝(ごはい)天井絵及び涅槃(ねはん)画像-高崎市から勝手拝借/感謝です。キリストと釈迦の最後は格別に異なるんだなあ。

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