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2007年1月12日 (金)

満男の考え違い

寅45作は「寅次郎の青春」。寅と風吹ジュン(弟と二人暮らしの床屋さん)を横糸に、縦糸Photo_500 は満男と泉のいったいどうなるの二人は物語である。これがゴクミ登場の最終作で、東京駅での二人の別れのシーンが記憶に残る。

それはいいのだけれど問題なのは、寅が例によって風吹ジュンの気持ちを知りながら(知っているからこそ)東京に逃げる場面での満男のセリフである。例によってLiebestodさんにお世話になる。

泉 「裏切られた様な思いをしたのよ、小母さんは。だからおじちゃまは、ここへ残るべきよ、ね、満男さん。」
満男 「違う。伯父さんは帰るべきだ。」
泉 「どうして?」
満男 「伯父さんがここに残ったら、もっと大きな悲劇が待ち受けるだけだ。」
泉 「どういうこと?」
満男 「そりゃ、最初はいいよ。伯父さんは、人を笑わせるのが上手いし、楽しい人だから、あの小母さんも幸せかもしれない。けど、伯父さんは楽しいだけで、奥行きがないから、一年もすれば、結局飽きてしまう。伯父さんは、そのことを良く知っているんだ。だから帰ることを選択したんだ。ね、そうでしょう、伯父さん?」

満男よ、お前は考え違いをしている。男と女はそんなものではない。(寅に奥行きがないかどうかは別にして)寅が楽しい人だから女は幸せというのはアサハカというもんだ。また、飽きるから不幸せというのも底が浅いぞ。
アホなあんた、あたしがいなければ駄目なのよ、というのもあるし、高倉健さんみたいに無口でも惚れられる素晴らしい男もいるし、まあ、人生いろいろよ。

だから、その根底から考え違いを直さなくっちゃ、満男くん。男は女を楽しませるためにあるんじゃない。
結局、満男は泉と一緒になれなかったんだ、多分。
人がよくっても底が浅い男に女は惹かれない。アホかワルでないと女は惚れないのかもしれない。アサハカだなあ、女も。

※画像はこの作品が下敷きにしたパトリス・ルコント監督「髪結いの亭主」のポスターだ。BSで以前にたまたま観て濃密なエロスの香りに惹きこまれた映画だった。

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