寅、枯れにけり
遂に、寅最終作「寅次郎紅の花」を観てしまった。
最終作だと思うと、観る前からハイ・テンションで、渥美清の座ったままの演技につらかったろうと思ったりした。
奄美大島でなんとかなると思ったに、もーう、寅の
馬鹿にしか見えないよ、そんなのは。自分じゃ、格好良いつもりだろうけど、要するに、卑怯なの、意気地が無いの、気が小さいの。体裁ばっかり考えているエゴイストで、口程にもない臆病もんで、つっころばしで、ぐにゃちんで、とんちきちんの、おたんこなすだっていうんだよ。
この映画はそして寅はリリーのこのひとことにつきるのである。ぐにゃちん。
だからボクらは寅を愛した。愛する人を奪えない寅のやさしさを呆れるぐらい愛したのである。
しかしなあ、リリーも相当のもんだよ。この意地っ張り。寅がぐにゃちんだとわかっているのだから、やさしく導いてやればいいじゃあねえか。それともやっぱりあれかい、リリーも愛する人を壊すのが恐いのかい?いや、違うなあ、リリーは「あたしは愛される資格なんかないんだ」と思っているんだ、多分。奪い奪われることに資格や能力なんか関係ないのにね。
冬の河をとこをんなに手もふれず
画像は浅丘ルリ子×木の実ナナ 二人の大物女優が“伝説の映画女優”を演じる!から勝手拝借/感謝です。一にルリ子、二が喜和子、次がナナでその次は小百合かなあ。オリエも忘れちゃあならない。男優ゲスト助演ベストは当然、志村喬である。なんといっても第一作だ。また泣くぞ。
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