概観@「エティカ」を読む(1)
図書館で中公クラシックス「エティカ」を見つけ、読めるだろうかと疑いつつ借り出してき
た。そして、なんとか読み通すことができた。工藤喜作の解説を何度も読み返したのと、懇切な注釈・図表が付いているのが効いたのだ。
そこで、まず、エティカ(最近はエチカではなくエティカと表記するみたい)の概観を書く。流れはこうなっている。
存在論(真に実在するものは何か→神即自然である)
認識論(正しい知に到達するための認識はいかにあるべきか)
感情論(人の感情とは何か。感情の療法について)
価値論(善悪とは何か。自由について)
これを俺は得意の世界三層構造を頭に置きながら読んだ(だから読めた)。
すなわち、エティカ見取り図である。
価値世界 論理世界 事実世界
価値論 認識論 存在論
↑ 様態 神即自然=唯一の実体
感情論 三種の知性 コナトゥス(力)
(想像知・知性・直観知)
エティカの基本思想を俺の三層世界論に引き付けて記述する。
(1)唯一の実体(自己原因。デカルトは精神と延長という実体二元論、スピノザは無限実体一元論)は神即自然=事実である。無限実体から様態(実体の変様)が産出される(論理モデルを抽出する)。
(2)これから、ホーリズム(クワインと結論は同じ!)と内在主義(ものごとは対象の立場に立って内在的に理解するべきだ、従って批判も内在的批判であるべきだ)が演繹される。
(3)そしてまたホーリズムの立場だから、認識論においても分析的認識(想像知)ではなく総合的認識(知性)が正しいとされ、実体がその属性において変様した(俺に言わせればモデル化)様態(要するに個物)を認識する直観知とが認識の両輪である。
(4)全ては必然的(だから自由意志は否定)、コナトゥス(実体の力)の現れである。それを認識するのが知性と直観知である。
(5)生命においてコナトゥスは衝動となり、欲望(衝動の自己認識)・喜び・悲しみが感情の基本要素である。
(6)善悪も感情によって説明される。感情の療法(肯定と赦しの哲学)が倫理である。
要するに、事実(無限実体)から世界の論理モデル(正しい認識)と価値モデル(善悪等)を抽出する体系的哲学及び形而上学(思想)なのである。ああ、痺れてしもうた。
存在論@「エティカ」を読む(2)に続く。
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