梅の句@凡人生梅を支へし枝もあり
凡人生梅を支へし枝もあり
初案「紅梅の枝ぶりもよし凡人生」だったが、「枝ぶり」という措辞いまいち、もっと枝を主体として押し出すべきだと考えて本句のように推敲した。しかしかえって、ひねくれ嫌味が強くなったか。やっぱり作者の人格は自ずから出るものなりとクッスンしてもた。そこで両案併記で句集に記録することにした。
「蕩尽のまだ余命あり梅一輪」「いつまでも大人になれず梅ひらく」「梅ひらく水面に落とす紅き影」「紅白梅睦み居りたる斜面かな」に続いての五作目なので、例句は引き尽くした。そこで「紅梅」の例句を引く。
紅梅ニほしておく也洗ひ猫 一茶
紅梅や枝枝は空奪ひあひ 鷹羽狩行
紅梅や病臥に果つる二十代 古賀まり子
厄介や紅梅の咲き満ちたるは 永田耕衣
俳句は切れが命。切ることは意味を切ることでもある。だから、言い尽くそうとしてはならない(ここが短歌との大きな差異)。それどころか言ってはならない(それを言っちゃあおしめえよ)。ああやっぱり初案「紅梅の枝ぶりもよし凡人生」の方がよかったか。
※画像はスーパーマン 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫から勝手拝借/感謝です。
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