戦後が失ったもの@真の改革とは?
日経昨日の夕刊「共有財産の精神に返れ」宇沢弘文を読む。
彼はこのところ一貫して共有財産(コモンズ)=社会的共通資本の重要性を説いている。そして、「コモンズが代表する社会的共通資本の中でも医療と教育が最も重要な柱なのです」と言う。「コモンズの重要性は、皆が使えるということにより、自分たちの共通の財産として大事にしようという心をはぐくむことに」あると言う。
ところが現状は「今、医療の現場を歩いて回っているのですが、ほとんど崩壊の状況にあります。特にひどいのは産科と小児科」だそうだ。「診療報酬が減額になった一方で仕組みが変わり、患者七に看護一の「七対一看護」の制度が導入され、現場で大変な混乱を引き起こして」いるとのことだ。
結局、「医療は今、官僚主導の「改革」に追い詰められている。教育も同様」なのだ。
これを短絡的に小泉新自由主義「改革」の帰結と見るよりは、戦後自民党政権が一貫して進めてきた効率至上主義の結果と見るべきだろう。長い目で見ると、大日本帝国軍産官独占資本主義が曲がりなりにも維持していた社会的共通資本(医療、教育更には環境等の外部経済)を、戦後レジーム(効率至上資本主義)が壊してきた過程ということである。
だから、左翼にとっても教育再生は大課題だし、医療崩壊を食い止める必要もあるし、一次産業(農林漁業)を通しての環境保全も課題だ。要するに、こうした社会的資本までも闇雲に民営化してはならないのだ。民(個人、法人)は部分最適しか目標と出来ず、環境等社会的資本は全体最適を図ることが不可欠なのだから。
従って、ここに政府(全体最適)の果たすべき役割がある。宰相は、社会的資本の統括担当たる力量が要求されるのだ、安倍ちゃん。なんでも民営化すればええのんとちゃうで。
ということで社会的資本の重視を左翼の条件に追加する。
左翼とは(1)反帝国主義(2)自由主義(個人主義)(3)多元主義(4)社会的資本重視主義のことである。この条件に浅野君が賛成するのなら俺は都知事選で彼に投票してやる(とエラソーに言うてみただけなり)。
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