弥生@したたかに葉牡丹残る弥生かな
「弥生」は「陰暦3月の別称。草木がいやが上に生える「弥(いや)生(お)ひ」の転。春たけなわの候」(わたしの俳句歳時記)なので、ちょっとまだ早い。一方、「葉牡丹」は冬の季語だから、この句は季重なりである。しかし、明らかに春を詠んでいるので問題は無いとしたたかに弁解しておく。でもやっぱり、桜の後に出すべき句であったと反省。
花咲くといふ静かさの弥生かな 小杉余子
干物を少し夜干す弥生月 一力多美子
かなしみに溺れて生くる弥生かな 西島麦南
母を焼く空は明治の弥生かな 清水基吉
西島麦南は「実篤の「新しき村」運動に賛同し、大正11年(1936)頃まで村建設に従事。戦後、岩波書店に勤務し、校正の達人だった」そうだ。「秋風や殺すにたらぬ人ひとり」という達観の句があることを知った。
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