涅槃西風@生かされてまた生きてゐる彼岸西風
今日は彼岸の中日。そこで、わたしの俳句歳時記から転載させて貰う。
【涅槃西風】 ねはんにし
涅槃会(陰暦2月15日)の前後に一週間ほど吹きつづく柔らかな西風。俗に西方浄土からの迎え風という。時期的に春の彼岸の頃に当たり「彼岸西風」ともいう。
今頃に柔らかな西風が吹くのかどうか不案内だが、(ちょっと抹香臭いけど)使ってみたい季語だった。西方浄土からの風に生かされて、そしてまた、生きているのである。ちなみに、貝寄風(かいよせ)という大阪ローカルの季節風もある。
オムレツの腰がきまらぬ涅槃西風 坂本敏子
涅槃西風駱駝ゆつくり足を折る 鈴木智子
舟べりに鱗の乾く涅槃西風 桂 信子
人はみな泣いて生まるる涅槃西風 曽根久順
例によって俺の句は観念的だ。物に即して観念や叙情を詠え。たとえば「生かされて卵割ってる彼岸西風」というのも面白いのだから。
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コメント
呼びとめて彼岸にゆくとことづけし (1964年作)
初めましてブログランキングからお邪魔しました。母に代わって期間限定のブログを運営しています。母も短歌を始める前には俳句を詠んでいましたので興味を覚えました。涅槃西風という季語はインパクトが強く惹かれますね。母の歌や句は平凡そのもので毒が無く台所短歌・俳句というところでしょうか。
またお邪魔させて頂きます。
投稿: Ivoryboat | 2007年3月21日 (水) 午前 10時53分
はじめまして。お母様の歌、いくつか拝見しました。しっとりした写生歌を羨ましく思いました。私は短歌から始めて、今は俳句にどっぷりです。
投稿: 土曜日の各駅停車 | 2007年3月21日 (水) 午後 01時15分