仲春@春なかば人生なかば芸の道
春なかば人生なかば芸の道
歳時記をめくっていたら「仲春」の項に「春なかば」という季語があるのに気づいて、「人生なかば」が自ずと導かれた。そこで問題はオチ(下五)だが、「泳ぎをり」「顎を撫づ」などと付けたがつまらない。「人生も芸の内なり花曇」という旧作の延長線上に置けばいいのだと気づいて本句となった。俺には芸の道しか残されていないのだ。
ちなみに写真は西武秩父線高麗駅の風景。この彫像は朝鮮半島では『チャンスン』と呼ばれ、守り神として村の入口に建てられたものだそうである。面白い被写体だと思ってとりあえず撮影しておいたら、本句で役に立った。これも芸の内である。
仲春の少女がこぼす壺の水 岡本正敏
仲春や庭の繚乱古机 松根東洋城
冴え返り冴え返りつつ春なかば 西山泊雲
末雪に次ぐ大雨や春半ば 伊藤後槻
まあしかし、人生、春ばかりではない。大暑もあれば大寒もあるのである。そのことだけは忘れないようにしよう、極楽トンボよ。
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