朴の花@武器とらず老いたる幸や朴の花
ブドリさんの紹介に刺激されて吟行した皇居東御苑で撮影。そうか、これが朴の花かと初めて認識できて嬉しかった。モクレン科の花だから花の形は木蓮に少し似ている。でも(はっきり言って)異形の花で、あまり美を(俺は)感じない。「花の歳時記 夏」には「山中の幽い茂りの中に、高々と白々と咲く朴には、澄明で孤高な姿を見る思いがする」とある。
つまりは俺の目と写真が拙いのだ。だから、読者はブドリさんの朴の花の素敵な写真を参照するべきである。
朴の花猶青雲の志 川端茅舎
朴の花今年見ざりし命かな 石田波郷
近よりしことなき朴の花終へぬ 加倉井秋を
朴散華即ちしれぬ行方かな 川端茅舎
「朴の花の命はそう長くはありません。実際にいつから開花したのか毎年はっきり してはいませんが、多分一週間持つか持たないか、といったところだと思います。 その散り際は大変潔く、ひとつが萎えると次々に後を追うかの如く、大きな花弁が降り 落ちます」ということから「朴散華」という季語が生れている。しかし、「実際には朴の花は枝の上で茶色に変色して萎え、いつとはなく落ちる」(花の歳時記 夏)そうだ。
季語そして俳句は記号世界の存在、事実世界とは次元が異なるということである。だから俺が朴の花を異形と感じても、例句などによって概念化された朴の花、朴散華を詠むことにより俳句として成立するのである。
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