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2007年5月31日 (木)

石楠花@石楠花の秘め事淡く渓谷に

Photo_814 石楠花の秘め事淡く渓谷に

西沢渓谷吟行で得た石楠花だ。西沢渓谷は秋は紅葉、春は新緑そしてアズマシャクナゲで有名だということを今回再認識した。というのは、アズマシャクナゲは普段よく見る西洋石楠花とはかなり異なる花だということを今回実感したからだ。ご覧のように淡いピンクが可憐なのがアズマシャクナゲなのである。これに対して、西洋石楠花<(洋種シャクナゲ、ロードデンドロン)と呼ばれる種類は、日本産以外のシャクナゲ類や、その園芸品種などを総称したもの>は(俺に言わせると)人工的に過ぎると思うのだ。
そこで、もう少し石楠花薀蓄。まず石楠花とは、狭義にはアズマシャクナゲやツクシシャクナゲをいうが、学術上ではシャクナゲ類は広くツツジ属のうち常緑性のものを指すとのことだ。「花の歳時記 夏」に「狭義には東日本の山地から深山の岩場などに生える<東石楠花>を指す」とあるのはこのことを言っていて、俳句でも石楠花は本来、アズマシャクナゲのことなのだった。
そして、日本に自生するシャクナゲは、ツクシシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、キバナシャクナゲ、ホソバシャクナゲの四種類に分類され、アズマシャクナゲはツクシシャクナゲの変種の中ではもっとも高地に自生するものだそうである。
以上、これでアズマシャクナゲと西洋石楠花との位置関係を理解できて満足である。

さて、例句。「石楠花や快晴富士の男ぶり」で引いたもの以外から追加する。

 石楠花や水櫛あてし髪しなふ     野沢節子
 石楠花にかくれ二の滝三の滝     宮下翠舟
 石楠花の頃は過ぎたり咲き残り    清崎敏郎
 石楠花や影振りすててゆく峠     鷲谷七菜子

ところで本句の写真はフリーソフトJTrimでカラーヒストグラムノーマライズ調整したものである。新樹の中で可憐に咲く(盛りを過ぎていたのが残念)アズマシャクナゲに樹光がつくる微妙な陰影を再現したかったからである(ちょっとやりすぎたかもしれぬ)。

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