山査子の花@メイフラワー我の処女地を拓くべし
西洋サンザシの花が紅く可憐に咲いている。本来のサンザシは中国系で、加味平胃散(かみへいいさん)、啓脾湯(けいひとう)などの漢方方剤に使われるようだ。一方、西洋サンザシはこれとは同属別種とのことでメイフラワーとも呼ばれている。そこで、この季語を使わなくてはと数日念じていたらなんとか句になった。
この記事を書こうとして寺山修司に「処女地」を使った句歌があったなあと思い、探したら見つかった。「一粒の向日葵の種まきしのみに荒野をわれの処女地と呼びき」。この歌のどっしりとした重量感に比べたら屁みたいな本句である。本歌取りとも呼べぬ。
例句をと思ったら、サンザシのザにJISに無い字(木査)が使われている。?で代用する。
山?子の日をうつうつとすごしけり 染谷泉径
山?子の花の泡立ち四月の喪 すずきりつこ
花さんざし斧のこだまの消えてなし 神尾久美子
壷に挿す山?子の花は盗み来し 安住 敦
中国系サンザシと西洋サンザシは花もだいぶ違うようだ。季語としてはメイフラワーを別に立てた方がいいのではないか。
ああ、これでまた冥土に持って行く薀蓄が増えた。これが我が処女地なり。
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