行く春@行く春や鬼も仏もつれもちて
「行く春」で一句をと念じていたら、「鬼も仏も」が浮かんだ。そうだなあ、時間だけは万人に平等なのだからと感慨を持って本句となった。写真は少々こじつけである。綺麗に撮れた(と自分では思っている)富士を見せたいだけなのだ(大瀬崎にて撮影)。
行く春を近江の人と惜しみける 芭蕉
行く春やおもたき琵琶の抱きごゝろ 蕪村
ゆく春やさゝやきかはす杖と笠 久保田万太郎
ゆく春の耳掻き耳になじみけり 久保田万太郎
この四つの句を例句として引きたかった。惜春という濃厚な情感を「行く春」は少し中和させて、尚且つ、しっとりと心を濡らせてくれるのである。とりわけ蕪村の句の象徴性と無内容とが気に入っている。
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