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2007年5月17日 (木)

蝶@蜆蝶この世にあはれ紛れ来し

Photo_788 蜆蝶この世にあはれ紛れ来し

蝶の写真が撮れたので「俳句の鳥・虫図鑑」を見てみると蜆蝶だと判明した。しかし、ブログにアップするためには句を作らねばならぬ。
そこで初案「黄泉からのメール携え蜆蝶」、つまらぬ。推敲「たまさかに世に紛れ来て蜆蝶」「生れ来てその理由知らず蜆蝶」も説明が過ぎ、句になっていない。困ったなあどうしようと思っていたら「この世にあはれ」が閃いて本句となった。これは便利なフレーズだ。例えば、「ひとりゐてこの世にあはれ梅雨近し」など上五と下五を接着させるオールマイティ・フレーズとも言うべきものだ。

しかし、この中七オールマイティ・フレーズは短歌「今しばし死までの時間あるごとくこの世にあはれ花の咲く駅」小中英之に先例があることに気づいた。これを知ってしまえばおしまいよ。もう、使えぬ(と言いながらいつかまた使いそうな予感)。

 世の中よてふてふとまれかくもあれ      宗因
 しじみ蝶ふたつ先ゆく子の霊か       能村登四郎
 泥染の泥田の小畦蜆蝶           木村蕪城
 しじみ蝶とまりてげんのしようこかな    森 澄雄

森澄雄の句の「げんのしようこ」がよくわからない。現の証拠(下痢の時に用いるとすぐに効果が現れるところから由来する薬草)のことかなあ。

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