栃の花@終焉のいつか来たらむ栃の花
終焉のいつか来たらむ栃の花
存在が認識を規定するのではなく認識が存在を規定する(カントのコペルニクス的転換)。要するに、見れども見えず、見る気にならなければ見えないということだ。
この栃の花、その辺の街路樹にいっぱい咲いているのだが、俳句カメラを始めるまでは全く気づかなかった(お恥ずかしい)。カメラ目線で周りを少し見るようになって気づき、異形の花だなあ何だろうと意識するようになったのである。
最初、樫の花かなあと誤認していたらブドリさんが栃の花であることを教えてくれた。日本固有のトチノキ科の落葉高木。昔、ある山村で土地ぐるみでこの木を守ったことから、「土地の木」という名前がつきましたとのことだ。花の終わりの時期になってようやく駄句駄写真を得たのでアップすることが出来た。よくよく見れば意外と美しいのである。
と、ここまで書いて例句を引くためにわたしの俳句歳時記で栃の花を検索すると、「マロニエ」は西洋橡の木と呼ばれているが、こちらはピンク色の花で別種であると記述がある。しかし、「花の歳時記 夏」を見ると白い花の写真がマロニエの花の写真として掲載されている。更に、ブドリさんの記事には紅花栃の花の写真もある。
ええい、みんなまとめて栃の木じゃ。マロニエも我が国固有の栃の木の一種としておこう。
仰ぎ見る樹齢いくばくぞ栃の花 杉田久女
栃咲いて浅夜しづかな疲れあり 星野麦丘人
橡の花きつと最後の夕日さす 飯島晴子
音楽堂マロニエの花散りゐたり 塩川雄三
ウィキペディアには、ヨーロッパの近縁種であるセイヨウトチノキ (Aesculus hippocastanum) はフランス語名のマロニエでよく知られる、と記述されている。この写真の花はやっぱりマロニエとするべきであろう。
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