芍薬@芍薬や愛に飢ゑたる日々ありき
芍薬や愛に飢ゑたる日々ありき
写真はだいぶ以前の大船植物園吟行時のものだ。ようやく、芍薬の一句を得ることができた。
ところで「立てば芍薬」というのは「芍薬が花茎を伸ばし、頂に花を咲かせるため」と旅ガイド本「関東 花の旅」にあった。ネット検索してみたけれど該当する記述は見当たらない。どこまでホントウかは不明だが、芍薬と牡丹を弁別するキーにはなる。また、牡丹は落葉低木、芍薬は草本である。中国では牡丹は「花の王」、芍薬はそれに次ぐ「花の宰相」とされてきたそうだ(「花の歳時記 夏」より)。
芍薬やつくゑの上の紅楼夢 永井荷風
芍薬の一ト夜のつぼみほぐれけり 久保田万太郎
芍薬を嗅げば女体となりゐたり 山口誓子
芍薬に逢瀬のごとき夜があり 森 澄雄
例句が示すように「花の宰相」は「花の王」よりエロティックである。花にエロスを思うのは男の性(さが)ではあるが。
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