夏木立@膝立てて観音愛語夏木立
膝立てて観音愛語夏木立
今回の鎌倉吟行の最初の目的地は円覚寺。いつも車で素通りするばかりだったが、今回は藤沢→江ノ電→鎌倉→北鎌倉という電車ルートで円覚寺に入った。
ゆるやかな斜面をのぼりながら一番奥の黄梅庵まで拝観し方丈まで戻ってくると、この百観音に出会った。江戸時代につくられた観音群であるが、一度荒廃し明治になってから復興されたとの立て札があった。こういうのは俺、興味があるんだなあと何枚か撮影したうちの一枚である。立膝の観音様というのがエロチックで面白い。中尾寿美子の秀句「魂魄のそよりと膝を立てし春」を思い出す。俺も、愛語なる言葉を配合して本句を得た。愛語は色事がらみのコトバではなく仏語であるということは知っていたが、いま検索してみると道元「正法眼蔵」の「愛語といふは、衆生をみるに、まづ慈愛の心をおこし、顧愛の言語をほどこすなり」に由来していることを知った。ありがたい言葉である。
ところで、この百観音に魅了されている方がいらっしゃるということもネット検索で知った。「もしかしたら・・・ライフワークになるかもしれない・・・」と呟きながら観音の魅惑的なお姿の写真を公開されている。拝見して励みになった。俺の下手糞な写真なんかよりこちらを是非見て頂きたい。
塔ばかり見えて東寺は夏木立 一茶
夏木立幻住庵はなかりけり 正岡子規
幼年の血のうつくしき夏木立 吉田汀史
ひろしまや樹齢等しく夏木立 川崎慶子
生命が躍動しつつどこか悲しい夏木立。最後の句は広島被爆を悼む句であろう。
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