水馬@水すまし世渡り好きの男かな
水すまし世渡り好きの男かな
インターネット俳句会用に写真と共に在庫していたのだが、別に佳句(と思う)を得たので出庫することにした。
それに、切れ字の重複(「や」と「かな」「けり」の重複))を厳格に嫌う考え方に立つと、本句も上五で切れて下五に「かな」を使っているので好ましくないのかもしれない。
でも、切れ字の重複といっても大抵は上五と下五に切れがあるだけなのだから(例「降る雪や明治は遠くなりにけり」)、なぜ嫌うのかがよくわからない。想像するに、リズムが固定化したワンパターンの句が輩出する事態を避けるための禁則なのだろうか。
夕暮の小雨に似たり水すまし 正岡子規
水馬青天井をりんりんと 川端茅舎
水馬日暮は母が呼びにくる 加藤楸邨
水馬鳳凰堂をゆるがせる 飴山 實
関東ではミズスマシのことをアメンボと言うそうだが、関西育ちの俺にはまるで実感が湧かない(関東の人にとっては逆のことが言えるだろう)。こどもの頃に水面をすいすい滑るミズスマシを見て、あんな風に滑れたら楽しいだろうなあと思った昆虫だ。
あ、ウィキペディアを見るとミズスマシはアメンボと全く異なる昆虫のようだ(アメンボは6本の脚の先で立ち上がるように浮くのに対し、ミズスマシは水面に腹ばいに浮く。こんなの見たこと無いぞ)。これに従うと関西人の用法は間違い、従って俳句も間違いということになる。しかし、これはオカシイ。生活実感に反している。
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