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2007年6月13日 (水)

日本財務省のキャリートレード

先週(6/7)のWBSでモルガンスタンレーのロバート・フェルドマン氏が、現在の円安の理由について面白いことを言っていたので記録しておく。

現在のドル/円レートは円安に過ぎる。その理由は2002年春から2004年春まで4500億ドルという巨額のドル買い(円売り)介入を日本財務省が行ったが、この介入で買ったドルを財務省は売らずに持ち続けている。それを知っている個人投資家はドル安にならないと安心してドルを買える(外貨預金、外国証券買い、外為証拠金取引)。また、財務省は日銀から低利の円を借りて高利のドルを買っていることになるので、いわば財務省がキャリートレードしているようなものだ。
このような財務省キャリートレードとそれを前提にした個人によるドル買いによって成立している不自然な円安(ドル高)はいつか反動が来る。だから、財務省は金利収入によってどんどん積みあがっているドルを、せめて金利分ぐらいは売るべきだ。

フェルドマン氏が言うように、今の円安は不自然なものだ(現在のドル円は85年プラザ合意時と実効レートは同程度だと今朝のモーサテも伝えていた)。そして、上の巨額なドル買いによってもたらされた円安が、中国等BRICS諸国の成長、崩壊したアメリカの住宅バブル等による好景気、いまだ継続している日本の賃金デフレ(例:非正規労働の増大、ネットカフェ難民)とあいまって現在の輸出大企業中心の好況となって2002年当時の破滅寸前の日本経済を救った。財務省に積み上がっているドルはその後始末を迫っているのだ。

アメリカの長期金利急騰で日米ともに株価は調整局面だが、これを切り抜けた後に(あるいは同時に)円高懸念がやってくる。円高は輸入財の実効価格低下を伴い(特に消費者に)メリットをもたらす一方で、輸出企業を直撃する。また、財務省が保有している4500億ドルの資産の目減りをもたらす。
さて、賢明な日本国政府日銀はドル買い介入の跡始末をどのようにつけるだろうか。
マスコミが報じない(国民には難しすぎる)政治経済の大問題点がここにあるのである。

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