岩煙草@残年に悔ひ一つあり岩煙草
残年に悔ひ一つあり岩煙草
鎌倉東慶寺の岩煙草である。湿った岩壁に生える草だそうで、初めて見た。花言葉は「愛らしい心」で、岩壁に咲くその健気さをなんとか句にしたいと考えて、ようやく「悔ひ」で句となったものだ。花の名は葉が煙草の葉に似ていることに基づくそうだが、煙草の葉そのものを知らないのでそんなものかと思うだけである。
透きとほる雨後の谺や岩煙草 平子公一
滴りに濡れにぞ濡れて岩たばこ 瀧 春一
よべの雨溜めて花あぐ岩煙草 片山志津
滝川の鳴りこもるあり岩煙草 阿波野青畝
花に憂いがあるように心に悔いもある。湿った岩壁に健気に咲く岩煙草に忘れられない悔いをひとつ見ることができた。だからどうだという訳ではないが。
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