祭@祭髪にぎりしめたる五円玉
祭髪にぎりしめたる五円玉
昔の五円は今ならいくらになるかなあ。覚えているのは、五円でお好み焼き(にくてんと呼んでいた)を食べられたことだ。駄菓子屋のお好み焼きだから割り引いて考えても、今の百円、ひょっとしたら二百円になるかもしれない。そんなカネを握り締めてこどもたちは駄菓子屋に走ったのである。
神田川祭の中をながれけり 久保田万太郎
路地に生れ路地に育ちし祭髪 菖蒲あや
祭笛吹くとき男佳かりけり 橋本多佳子
神輿かつぐ水飲むごとく酒飲みて 橋本美代子
菖蒲あやは極貧の中で育ち俳句に出会った人だ(経歴を検索したが見つからず)。「凩を連れて帰るよひとりの部屋」など、生活感の滲み出た句をつくっている。俺の本句は上の祭髪を頂戴して五円玉を連想したものだ。生活感と詩情というのも忘れてはならぬ取り合わせの基本パターンである。
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