百合@白百合や出口定めぬ恋をして
白百合や出口定めぬ恋をして
ご近所で見つけた百合。百合で一句をとうんうん唸って得た。しかし、この句の構造は旧作「湯豆腐や筋の通らぬ恋をして」と同じであることに気づいた。つまりは、類型的類想的な句であるということだ。合掌。
笹百合の行く方へ行く老いにけり 永田耕衣
霊歌歌ひ黒人百合をいだき去る 有馬朗人
たくさんの百合添へて死を頂戴す 正木ゆう子
ふれもせで百合くづれたり沖縄忌 丹波恵美子
「西洋では百合は早くからキリスト教と深く結びついており、今でも受胎告知の神聖な花として祭壇を飾る」そうである(花の歳時記 夏)。ほほう、と思いネット検索するとレオナルド・ダ・ヴィンチ――「受胎告知」の白百合」に出会った。白百合は純潔の象徴とされていて受胎告知の天使ガブリエルは(雄しべのない)白百合を手にしているのが通例だが、レオナルドのこの絵では、「わざと雄しべを百合の花の中に描い」ていると興味深いことが記されている。ご興味あれば是非クリックを。
お陰で百合に関する薀蓄が一つ増えた。俺は日ごとに賢くなっていくなあ。
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