長瀞七草寺(4)残生や男色気の白桔梗
桔梗寺は多宝寺。白い桔梗が咲いていた。紫の方に色気を感じるけれど、ここはせっかく白桔梗を見られたので白で句にした。「桔梗や男も汚れてはならず」石田波郷。この句の桔梗は「きちこう」と読ませる。
尾花寺は道光寺。「少年に愛す沼あり花すゝき」五所平之助。映画作家五所平之助は俳人でもあった。「生きること一と筋がよし寒椿」という句もある。
ついでにもう一句、薄。「をりとりてはらりとおもきすすきかな」飯田蛇笏。この句の「すすき」は抽象度が高い。いのちとか存在そのものを詠んでいるように思える。いや、そんな深読みは作者の意に反するか。全く無意味な句と受け取るべきかもしれない。ナンセンスこそ秀逸の極みである。
前回に今回が最終回と書いたけれどまだ続く。次回こそ最終回。七草以外の句である。
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