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2007年10月 1日 (月)

「開かれた保守主義」とは何か

いつも愛読している産経・阿比留記者のブログが安倍政権の整理を転載している。非常にわかりやすい整理なのでその結論を記録しておこう。

安倍政治がめざしたものを筆者なりに整理してみれば、要は古い体制古い自民党と「官僚内閣制」からの脱却、原理も原則もない自虐的な外交から新しい「主張する外交」への転換、「開かれた保守主義」に基づく教育や社会政策の全般的見直し、日本版NSCに代表される「官邸主導体制」の確立による国家戦略をもった政治の実現といったものであったように思う。

反国家的保守主義者を最近自認するようになった俺としては、①②④は賛成(だって価値観の問題ではないんだもん)だが、問題は「開かれた保守主義」だ。

この「開かれた保守主義」が内容不分明なので判断しがたい。そこでネット検索して、「開かれた保守主義」ってなんだろう等を読んだが矢張りわからない。しようがないから俺が想像するに、「開かれた保守主義」とは、

(1)「左」に対して開かれた保守主義。レフトウィングを積極的に取り込み可能な柔軟な保守主義(これでもよくわからんなあ)、
(2)グローバル化に対応した国家主義ということかと思う。

このうち、(1)は政治戦術の問題だから置くとして、(2)はそもそも論理矛盾を孕んだ概念だ。具体的に言うと、従来からの対米同盟(従属)関係を維持しながら国家主義を展開したいということなのだから、日米の利害の一致しない様々な局面で壁に突き当たる。今回の突然の辞意表明についても、イラク戦争支援と日本の国益維持との衝突に起因するのではないか。更にはブッシュ大統領から近々開戦予定のイラン戦争支援を要求されて懊悩した挙句の辞意表明との憶測まであるようだ。

今後、資本は益々無国籍化に向かう(儲かるのなら中国とも北朝鮮とも悪魔とも手を組む)。そして資本に支持されねばならぬアメリカ政権は強いドル・高い株価維持を第一の目標として無国籍化資本を支援する世界戦略を展開する(イラク戦争然り、ひょっとしてイラン戦争も)。イラン戦争まで起こされては日本は対米同盟を従来通りには維持できないだろう。それともアメリカと同様にイランを悪魔視して対米同盟を維持するのか。

イランで戦争を起こさずに済んだとしても、アメリカ(無国籍資本・ワシントン同盟)と日本の国家主義とはいつかどこかで決定的な利害の対立を迎える可能性がある。そのとき、「開かれた保守主義」はどうするのか。安倍政治の後継者たちの動きを見守りたい。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

「開かれた保守主義」も「美しい国」と同じくらいわかりにくい(笑)ですね。私の中では過去を尊重しながら改善していくという国家メインテナンス的な感覚になってしまいます。急激な変化はショックも大きいですけど方向さえ正しければ、急がないで正確にやるのが、シアワセかなと思います。特にグローバル化への対応でしょうかね。安倍ちゃんはブッシュに虐められたから辞めたと思われていますが、いろいろ情報網を探ると、単なる病気?って線が濃厚になってきて、なんか肩透かしです。いえきっと真相が何かあるはず??

投稿: SAKAKI | 2007年10月 1日 (月) 午後 09時05分

「開く」ということと「国家」との間には難問があると私はいつも思うのです。「国家」より「社会」の方が好きなものですから。まあしかし、安倍政権は保守主義とは何かを考える機会を与えてくれました。

投稿: 土曜日 | 2007年10月 2日 (火) 午前 11時09分

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