浪漫は憧れのこと石蕗の花
浪漫は憧れのこと石蕗の花
ロマン、ロマンチック、ロマンチストなどという言葉がずっと気になっている。日本語に対応するぴったりした言葉が無いように思うからだ。とりあえず、情感という言葉を当てて、人間の感情の基本要素は欲望・喜び・悲しみ+情感(おお、俺はスピノザを超えた)と悦に入ったのだがどうも座りが悪い。ロマン=情感というのは端的な対応ではないと思うからだ。今朝も「えらいロマンチストですね~土曜日さん」とコメントされて必死で否定する始末だ。
ところが先日、ブラームスの交響曲1番第2楽章を聴いていて突然閃いた。そうだ、ロマンって憧れのことなんだ。ブラームスはクララ・シューマンへの思いをずっと抱き続けて25年かけてこの曲を作った。この第2楽章はクララへの憧れの表現なのだ。これをロマンというのだ。
ということで「浪漫は憧れのこと」というフレーズを得た。後は季語及び下五である。
そしたらテレビのNHK俳句だったか短歌だったか巻頭の季節の花紹介が石蕗の花だった。これが石蕗の花かあ、なんやあ、これやったらそんじょそこらに咲いているやないかあ、アホやなあ無知やなあということで一句が完成したのである。
一生を辞書編纂や石蕗の花 五所平之助
つはぶきはだんまりの花嫌ひな花 三橋鷹女
静かなるものに午後の黄石蕗の花 後藤比奈夫
石蕗咲くや死よりも老のうとましき 鈴木貞雄
そして、憧れは寂寥と重ね合わせ。憧れは大抵、叶わぬものであるから。
かくして、ロマン=憧れ+寂寥。こんな見方が世間では通じるのだろうか、そこでアバウトミーに質問を出してみたのだが。
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