俳人、山本紫黄
今日の日経、年末読書特集の俳句の部(筆者は正木ゆう子)に面白い句が紹介してあったので記録しておく。山本紫黄「瓢箪池」より。
生別も死別もいづれ春の水
言われてみればその通り。そして「春の水」は早春の水かなあ。まだ冷たいけれどどこか春を感じさせる水、いずれ確実に対面する死とは春の水なのである(と思わせてくれる)。
紫黄は「俳壇的には殆ど知られておらず、句集上梓の直後に、その反響も知ることなく急逝した。享年八十六」だそうだ。他にもいくつか紫黄の句が引かれているが、そのうちで感じた句を引こう。
日の丸は余白の旗や春の雪
「君が代」に起つも起たぬも蝌蚪の昼
ネットを検索したら紫黄に興味を持ってらっしゃる方がいらした。「飄々としたユーモアで、境界線にバランスをとって立っているような感じ」と紫黄の句を評している。一日一句を採り上げて記事を書かれているので毎朝の巡回コースに組み入れさせてもらおう。
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