しんじつを秘めて蕾や冬椿
もう、椿の蕾があちこちでふくらみはじめているけど、八重の椿のこのピンクが好きだ。ピンクっていうとよからぬ連想もするので、薄紅色とでも表現するべきかなあ。いや、淡紅か。薄いより淡いと表現したい。爽やかで上品な色香である。従って、真実もしんじつとなるのであった。
冬つばき世をしのぶとにあらねども 久保田万太郎
齢にも艶といふもの寒椿 後藤比奈夫
火はわが胸中にあり寒椿 角川春樹
父も夫も師もあらぬ世の寒椿 桂 信子
花に心を惹かれるのはそれがいのちだから。そして、いのちはいつか死ぬ。すなわち、花の美しさの真実は死(を思うこと)にあると理屈をつけてみた。死はいつか訪れるもの寒椿
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コメント
ほんとにきれいな色ですねー。
これほど繊細で奥行きのある色は
外来品種には見られないのではと思います。
しかし、ピンクでよからぬことを連想するとの
お言葉に、世代間ギャップを感じてしまいました。
それとも私が女性だからそう思うのでしょうか。
今は何の下心なしに「ピンクが好き」って
言いますけどねぇ。
投稿: ペリエ | 2008年1月13日 (日) 午後 11時29分
ぐっぐっぐ。世代間ギャップに我が身の老いを実感して落ち込んでしもうた。
投稿: 土曜日 | 2008年1月14日 (月) 午前 05時04分