資本主義破綻の想定できる理由を述べよ
「共産主義失敗の原因は何だったか?」は論点整理ができてアバウトミーに質問をあげた。そこで、今度は「資本主義破綻の想定できる理由を述べよ」である。
まず、どんな破綻を想定できるかを考えると(1)恐慌(2)戦争(3)革命(テロ)(4)資源枯渇ということになろうか。以下、それぞれについて検討する。
(1)恐慌:市場経済の行き過ぎ
思い浮かぶのは1929年恐慌である。好景気好況株高の後に一転して不景気不況株暴落、つまりはバブル破裂だ。市場経済であるからはバブル(市場の行き過ぎ)は避けられない。そこで行き過ぎを制御するための政府の役割が必要となる。増減税、公共投資、金利等金融政策など1929年恐慌を踏まえた反省(ケインズ経済学)があってかつての自由放任ではなくなった。それでも、現時のサブプライムローン問題で現れたように市場、特に金融部門の行き過ぎは不可避と見るべきだろう。
(2)戦争:帝国主義国家の暴走
1929年恐慌は欧州でナチ、ファッショを生みアジアで日本帝国主義のアジア侵略、また、アメリカも結果的に戦争による経済活性化をもたらした。また、イラク戦争が石油利権、ドル覇権にからむ米帝国主義戦争と評価することも可能だ。このように資本のあくことなき利潤追求が国家権力と結合すると帝国主義戦争を引き起こすとなる。これを回避するための枠組みとして国連があるが、国連が弱体なことは周知の事実である。
(3)革命(テロ):市場経済敗者による暴力的抵抗
経済のグローバル化は国内的国際的に格差拡大につながる。格差が耐えられないほどに拡大すれば貧者・敗者は暴力的に抵抗しようとする。それが革命・テロだ。これを避けるためにセーフティネット構築等全体最適を図ることが必要となるが、これは政府及び国家の国際的連携を必要とするだろう。ある程度の平等を維持すること、すなわち、貧困との戦いが政府の役割となる所以である。ちなみに、犯罪国家北朝鮮金王朝を倒すことも広い意味での貧困との戦いである。
(4)資源枯渇:自然的制約を無視する資本の運動
人間のための富の追求手段として考案された資本制度(株式会社)が、当初目的から離れて自立的な運動を継続した結果、人間のための富をもたらさない。善良な人間が資本に使われる労働者として真面目に反人間的な商売に勤しむ。これがマルクスが発見した疎外という現象である。そして、上記(1)、(3)は市場経済・資本の行き過ぎ=疎外の結果と見ることができ、(2)帝国主義戦争は疎外の極大化(疎外の調整弁となるべき政府を資本が乗っ取った結果の戦争)と言えるだろう。
恐慌も帝国主義戦争も革命(テロ)もなんとか回避したり被害を極小化できたとしても、資源は有限である。部分最適しか追求しない資本の運動から有限な資源と環境を守らねばならない。そうした全体最適を図る主体(政府?)を資本の運動に抗して育てることが必要である。
こうしてみると、資本主義破綻は資本による疎外との戦いである。そしてその戦いの主要な担い手は賢い政府だ。だが、賢い政府はどうやったら作れるのだろう。政治家は選挙に疲弊し権力闘争に明け暮れるものだし、人民はパンとサーカスに忙しい。
われわれに与えられた手段は市場経済(資本制度)と民主主義(投票民主主義)と思想言論の自由市場しかない。そして、投票民主主義で賢い政府ができる保証はない。とすれば、期待がかかるのは思想言論の自由市場である。
以上、かねがね俺が言い続けてきた新左翼の要件が、(1)反帝国主義(資本による政府乗っ取りを防ぐ)(2)自由主義(とりわけ思想言論の自由を維持拡大する)(3)多元主義(共産主義・ファシズムの亡霊と戦う)(4)社会的共通資本の重視(資本がエネルギー・食糧・水・環境を食い潰すのを防止する)として具体化できた。こんな念仏でも一人ぐらいは読んでくれるだろう。それが思想言論の自由市場を信じるということである。
| 固定リンク

コメント