「あれでいいんだ同好会」を考える
田母神問題の本質とは何だろうか?(アバウトミーラリー参照)と思う。歴史認識の問題(自虐史観vs国粋史観の対立)であると言うにしては「大東亜戦争を起こしたのはコミンテルンの陰謀だ」はお粗末陰謀論にすぎる。また、「言論の自由は自衛隊員にもある。それを圧殺するなら北朝鮮と同じだ」と元空幕長は主張しているが、肩書き付きで発表されることがわかっている政治的論文を上司の許可も得ずに発表するような人物には言論の自由云々以前に組織人としての義務を全うしてほしい。彼は、定年勇退前の最後っ屁で確信犯的に(どうせ処分などできないだろうから問題を起こしてやれ)実行したのではないか。
本当なら、今回の問題を契機に「民主主義国家における軍人教育のあり方」を徹底的に組織的継続的に追求するべきだと思う。憲法違反日陰者の自衛隊、それでも、一朝事あらば生命を賭けて戦わねばならない自衛隊員、彼らがどんな思いで今回の問題を見たのか、不毛な自虐史観vs国粋史観の対立を乗り越えて自衛隊員にどういう動機付けを持たせるか、この問題が一番大きいのではないか。
ところで、元空幕長はひらたいわかりやすい世間受けする言葉が好きな人物である。彼は自衛隊員が不祥事を起こした際に
従ってこのような場合上級司令部等は隷下部隊等を護る発言をすることが大切である。事故を起こしたことは謝罪するにしても、少なくともそれに対する隷下部隊等の対応については「あれでいいんだ」と言わなければならない。
と書いているが、見方が手前勝手で浅すぎる。公務員が不祥事を起こした以上、原因究明・再発防止策を役所(自衛隊を敢えて役所と呼ぼう)が検討対処するのは当然である。自衛隊は軍隊である以前に国民の血税で養われている役所なのだから国民に不利益を与えることは許されないのだ。それを彼は無視している。
そしてまた、
犯罪白書によれば、千人あたりの日本国民全体の刑法犯は平成11年から13年まで22.9、25.7、28.1であるが、自衛隊の刑法犯は、4.0、
4.4、4.9とその約6分の1である。しかも25万人の平均年齢は35.1歳と若く、20歳そこそこの若者を数多く抱えた組織であるのにである。高校等
において全く先生の言うことをきかなかった者が自衛隊に入って数ヶ月もすると礼儀正しい立派な社会人になるのを見るにつけ自衛隊は素晴らしい教育機関であ
ると思う。
などと手前勝手な理屈を述べているのだ(乱暴者を数ヶ月で立派に教育して刑法犯は一般国民に比べて6分の1。どうだスゲーだろうというアホ自慢がありありである)。
「あれでいいんだ」などということはあり得ない。自衛隊をどげんかせんといかん。憲法違反ではあるけれど日陰者にしたらアカン。一人前の軍隊である。それをきっちりした役所(ああ、社会保険庁その他と溜息が出るが)にして尚且つ精鋭軍隊にせねばならない。何兆円も費やしている自衛隊を張子の虎、税金の無駄使いにしないために。忘れるな、自衛隊はあの程度の人物がトップを務める組織だったのだ。
※写真は清々しい田母神・航空幕僚長 - Pの視点から勝手拝借しました。感謝です。
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