チケットを貰って出かけるコンサートチョン・ミョンフンを間近に拝む
昨日の午後、知り合いから突然の電話。サントリーホールのチケットが余っているという。指揮者チョン・ミョンフンの名前を聞いて喜んだ。その後、ネットで検索したら、
「世界中で演奏する」-世界初演から20年を経て、作曲者の生前に果たせなかった約束が、今実現する。ツィメルマン日本で20年ぶりの協奏曲。それはポーランドが生んだ偉大な作曲家が、ツィメルマンのために書いた唯一のピアノ・コンチェルト。
というコンサートだった。曲目は
メシアン:ほほえみ (俺のメシアンレパートリーが増えました)
ルトスワフスキ:ピアノ協奏曲
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
という組合せだった。よかったなあ、ラッキー、感謝もう一度感謝です。
しぶちんの俺がプログラム500円を購入して、客席で(老眼鏡も無しで)メシアンとルトスワフスキの予習。メシアン:ほほえみはモーツァルトへのオマージュ、ルトスワフスキの協奏曲は今回のコンサートのように普通のコンサート(現代音楽祭とかではなく)で演奏されることを作曲家は願っていたという。
そして開演。
メシアンの曲は静謐と興奮の対立的な小品、メシアンらしく音の快楽に満ちたチャーミングな曲をチョン・ミョンフンが息づかいが聴こえてくるような丁寧な演奏をする。11列16番(S席!)だからチョン・ミョンフンの背中の表情がくっきり見える位置だったのも嬉しかった。
そしてルトスワフスキ。ピアノの音がちょっと小さいかなあと思う始まりだったが切れ目無く続く4楽章で最後は大音響で終結する。会場は(俺もそうだったけど)拍手の嵐。ショパンをアンコールしてくれないかなあと思いながら拍手したけど、矢張り無理。あれだけの演奏をしたのだから大事に持って帰りなさい、僕も困憊したよということだ。
そして悲愴。やっぱり生の音楽はいい。コントラバスの出だしがはっきり聴こえて、その上で始まるファゴットのメロディ。後はご存知の展開で終楽章で曲は絶命する。チョン・ミョンフンのオケ的確グリップの下、弦楽器も体ごとうねらせて曲を表現する(特に第2バイオリン先頭列の女性)。ついでながら、なぜか知らないが第3楽章の最終部分でビオラ最後列の茶髪男性がステージから逃亡してしまったのが不思議だった。
終われば拍手、ブラボーの声も。スタンディングオベーションのおばさんたちも何人かいた(ミョンフンフリークは当然ながらいるんだ)。
いやあ、ありがとう。よかった。このコンサートもチケットを頂戴した恩義も一生忘れません。
俺のいくつか後ろ、通路の傍の一番いい席にソニーのあの大賀さんがいらして満足顔でした。京都市響の指揮者(ネット検索して判明→井上道義さん。今は京都を離れたようだ)もロビーでお見かけした。ポーランド(多分)の金髪美人も何人かいたなあ。
ということで、現代曲+チャイコフスキー、ご満悦のプログラムでした。
残念なのはYouTubeで「メシアン:ほほえみ」「ルトスワフスキ:ピアノ協奏曲」を随分探したが見つからなかったことだけである。
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