ベートーベン「合唱幻想曲」Last Night Of The Proms 2008
ノリントンおじさんが振ったPROMS2008が面白かった(日曜深夜のBS2で放送)。ノリントンは「ピリオド楽器による演奏(HIP)で古典からロマン派の作品に新しい光を投げかけて」きたという異色の指揮者で、弦のヴィブラート否定(「ベートーベンの時代には下品なヴィブラートをかけなかったぞ」ノリントン発言)の主張者の一人だ。
ところがこの夜の弦楽器は適度にヴィブラートをかけていたように見える。ノリントンおじさんも「もっとヴィブラートを」などとジョークを発してくつろいだ楽しいコンサートであった。演奏曲目全部をきちんと拾ってくれているブログがあるので参照願いたい。
さて、この夜のもうひとつの目玉はバリトン歌手プリン・ターフェル。恰幅がよくて声が素晴らしく通って、やっぱり西洋人にはかなわないなと思わせる歌手である。ワーグナー、プッチーニその他をたっぷり朗々と歌っている。この夜の模様は全てYouTubeにアップされているので上の動画の関連動画で見つけて楽しむといい。
そして、更に目玉が共感覚のピアニスト、エレーヌ・グリモー。そのピアノをフィーチャーして
の演奏が、上のベートーベン「合唱幻想曲」である。あまり演奏されない曲とのことだが覚えやすいメロディで、交響曲第9番の歓喜の合唱の原型とみなされている。もっと演奏されてもいい知られざる名曲である。
ところで、ザ・プロムス(The Proms BBCプロムスとも)はイギリス・ロンドンで毎年夏開催される、8週間におよぶ一連のクラシック音楽コンサート・シリーズ。そのラストは観衆六千人の英国国歌の大合唱で盛り上がって終わる。音楽はかしこまって聴くものではないと実感させるなあ。
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