人の世を三面六臂眺め来て上野の春に立ち給ひたり
昨日、阿修羅展初日見物での東京国立博物館ロビーである。 阿修羅像を拝観するのは初めてだが、360度時計回りで(俺は四周した)観られる。お勧めは、背面から阿修羅の左面の横顔である。正面のお顔が悲しみをたたえているのに対し、左面(向かって右)のお顔(特に横顔)はなにものかに立ち向かっていく凛々しさを表しているかのように感じた。いわゆる仏像ぽいお顔ではなく、写実的に人間の内面に問いかけてくる仏様である。
その点は十大弟子像も同様で、とりわけ、須菩提(諸法皆空に真解悟入した第一人者)の像は観ている俺の涙が滲むほどの表情をされている。また会えるかなあと思いつつ記憶の中で大事にしておくことにする。
阿修羅展を出て黒田清輝を見て「読書」は撮影可だったので撮って(右の画像)
、内庭に出て桜(正福寺桜←兵庫県新温泉町天然記念物の桜と同種と思われる)を眺めての半日だった。八部衆像、十大弟子像の一部は4/19までしか展示されないようであるから行かれるならば早目がよいかもしれない。
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