最終回はディスカッション。
○福山哲郎 内閣官房副長官
○寺島実郎 日本総合研究所理事長
○田中均 日本総研国際戦略研究所理事長
○添谷芳秀 慶應義塾大学東アジア研究所所長
○豊下楢彦 関西学院大学法学部教授
○キャスター・国谷裕子
俺の感想結論目標は「沖縄の非軍事化とミドルパワー外交日本」。
これを実現するための重要な武器はやっぱり憲法9条。9条があるからこそ日本は沖縄非軍事化を国際世論に訴えることができる。9条と自衛隊は目標達成のための重要な武器なり。以下、テレビをみるひとが文字起こしをしてくれているのでそこから一部コピペ。
(豊下)日米同盟は 私は ある種の理想主義の上に立ってると。その理想主義というのは沖縄理想主義であって沖縄が 半永久的に基地の島として我慢してくれるであろうというそういう理想主義は 今 恐らく幻想になってきてるのではないか。例えば 辺野古に新しい基地を造ると。これは 公共基地が予定されていますよね。そして 隣のキャンプ・シュワブと一体となりますと新しい戦略基地が出来る。そうすると下手をすると 今世紀中沖縄基地の島になる。そうしたら 私たちは沖縄に何と言えるか。65年間 辛抱していただきました。次の90年間また辛抱してください。そういうことは明らかに限界にきてる。沖縄に基地を求めるという場合も先ほど おっしゃったように日本サイドとしての戦略を持ってじゃあ どういうことで沖縄から 米軍基地を撤去していくかという戦略的な計画を提示して初めて 沖縄を説得できる。そういうふうに思います。
(添谷)私は 別に 中国に対して結託して対抗するという意味で申し上げるのではなくて中国問題というのは別に 日本だけの問題ではない。地域全体にとっての問題だというような認識が各国に生まれてきてるんですね。その中で日本と一緒に 何かできないかという働きかけすら起きてきてるんです。そうなると今 議論になってるアメリカの軍事的プレゼンスの問題も日米同盟で 日本が どうこうするというだけの問題ではなくて地域全体で アメリカのプレゼンスをどう考えるのかという広がりが現実に出てきてると思うんです。ですから 日本外交としてまさに そういったところにこれから 食い込んでいって日米とか日中という枠だけではなくてもっと広い広がりの中で 今議論しているような問題を考え対応を組み上げていくと。その時に 今 申し上げたような韓国であるとか ASEANであるとかオーストラリアであるとかそういった所と 日本は 共同して共通の利益とか 問題をどういうふうに抱えてるのかということを真剣な議論をする そういう時期に来てると思うんですね。そういう意味では 戦略対話はアメリカとだけではなくてまさに 地域的な広がりで 日本がやるべきものになっていてこれは 中国問題が きっかけになっているというのはやっぱり非常に大きな現実だと思います。
ちなみに、番組が紹介したNHK世論調査結果、設問「日本は安全を守るためにどのような国を目指すべきか」に対する回答。
日米同盟を基軸にする 19%
アジアの国々と国際的な安保体制を築く 55%
独自の防衛力で備える 7%
防衛力を持たず中立を保つ 12%
無回答 7%
国民はそれなりに考えている。テレビは海老蔵事件ばかりをやっているけれど。
更に、参考までに上の発言者の著書紹介。
戦後の日本外交は、憲法九条を維持したまま日米安保条約を結ぶという吉田茂の「中庸」の選択によって規定されてきた。しかしこの外交路線は左右両政治勢力から攻撃され、「平和国家日本」と「大国日本」という国家像の分裂をもたらし、時にそれが日本外交の足枷となってきた。本書は吉田路線の上を歩んできた戦後日本外交の主体性を「ミドルパワー外交」の視座から掘りおこす。ミドルパワー外交とは、大国との全面的対立を放棄しつつ、紛争防止や多国間協力などに力点をおく外交である。国際政治および戦後日本外交への深い洞察によって導き出された、等身大の日本外交を考えるための必読書。
ミドルパワーとしてここで想定されているのは、カナダや北欧諸国である。例えばカナダの安全保障におけるアメリカへの依存度は日本以上であり、経済力などからいっても間違いなく「大国」ではない。しかしG8のメンバーとして世界の主要国に名を連ねているし、対人地雷禁止条約の交渉では、大国が身動きとれない状況で、カナダが主導権を発揮し、不可能と思われていた条約締結を可能にした。このように「大国」ではないが、国際政治に影響を与えるパワーを持つ国家が「ミドルパワー」である。したがって、日本を「ミドルパワー」と言うことは、間違っても日本が「その他大勢」の国家だということを意味しない。
2010年12月13日(月)
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