大晦日ベートーベン弦楽四重奏9曲演奏会
大晦日にこんな長時間弦楽四重奏演奏会に来る人は相当奇特な人だろうなあと偏見でもって眺めたら(俺も含めて)変人ばかりに見えてきた。客席は七割程度の入り。弦楽四重奏演奏会では入りが良い方だろう。
日時 12月31日(金) 14:00開演(13:15開場/21:00終演予定)
曲目 古典四重奏団
ベートーヴェン:
弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調「ラズモフスキー第1番」op.59-1
弦楽四重奏曲第8番 ホ短調「ラズモフスキー第2番」op.59-2
弦楽四重奏曲第9番 ハ長調「ラズモフスキー第3番」op.59-3
ルートヴィヒ弦楽四重奏団
ベートーヴェン:
弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 op.127
弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 op.130
弦楽四重奏曲 変ロ長調「大フーガ」op.133
クァルテット・エクセルシオ
ベートーヴェン:
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 op.131
弦楽四重奏曲第15番 イ短調 op.132
弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 op.135
出演 古典四重奏団〈川原千秋(Vn)、花崎淳生(Vn)、三輪真樹(Va)、田崎瑞博(Vc)〉
ルートヴィヒ弦楽四重奏団〈小森谷巧(Vn)、長原幸太(Vn)、鈴木康浩(Va)、山本祐ノ介(Vc)〉
クァルテット・エクセルシオ〈西野ゆか(Vn)、山田百合(Vn)、吉田有紀子(Va)、大友肇(Vc)〉
料金 指定:8,000
ひとことで言うと、力演の古典Q、熱演のルートヴィヒQ、名演にあと少しのエクである。
古典Qは1stVnが2ndに比べて強すぎる(というか、2ndの細さが気になった)。ルートヴィヒQの演奏が始まった途端に豊かな音だなあと先程の古典Qと比較して感じた。古典Qが筒一杯力演していたのに対してルートヴィヒは余裕を感じさせるので聴いていて疲れない。昨年(あ、もう一昨年か)演奏会では厳しい批評があったルートヴィヒだが、今回は素晴らしかった。特に、大フーガ。あの熱気は一生記憶に残ると思う。
そのルートヴィヒは常設ではなくて、Vnが大フィルの首席コンマスである長原幸太と読響コンマスの小森谷巧、Vaが読響ソロ首席奏者の鈴木康浩(素晴らしく豊かな音)、チェロが東響の元首席でフリー奏者の山本祐ノ介というオケプロのカルテット。そのせいかスケールの大きさを感じたなあ。鈴木康浩の楽しそうな演奏表情(山本も)が印象的だったが、それが大フーガでは厳しい表情に一変、Vnもときに腰を上げての熱演だった。
休憩30分。この間に夕食を取るのは難しい。どうしようかなあと思ったが結局、上野駅前まで歩いて立ち食いのコロッケうどん。文化会館の楽屋口まで戻って来たら鈴木康浩さんが見えたので「ブラボー大フーガでした」と声をかけて通り過ぎた。
さてそして、我らがエク。14番嬰ハ短調 op.131はルートヴィヒ大フーガの残像が強すぎた(せいだろう、多分)のでもっと熱気をと感じてしまったが、全体にエクらしい好演。最後の第16番ヘ長調 op.135も西野さんらしく上手に泣いていた。山田さんの2ndもしっかり聴こえたしなにより大友さんのチェロがいい。この夜一番のチェリストだったな、やっぱり。吉田さんもよかったけど鈴木康浩の深みと広がりのある音とつい比べてしまった。あと、余計なことだが女性軍の衣装(ブルー)が華やかに過ぎるとゴメンね。
ともあれ、16番最終楽章の、“Es muss sein!(かくあるべし)”主題を頭の中で繰り返し再生して来年も生きたいなと思って帰路についた歳晩であった。
2010年12月31日(金)
2:50起床。英国ロイヤル・バレエ「ロメオとジュリエット」吉田都、日本での引退公演、伝統的なクラシック・バレエとは異なって「動きのひとつひとつがまるで台詞」のような振付だそうだが、鑑賞力低くそこまでは感じ取れず。途中うとうと数回ながらも最後まで鑑賞。posted at 06:02:38
スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都 (NHKシリーズ) 吉田 都 by G-Tools |
@sunajopon @biwaprancer @azumizoku @itutubosi @kgussan @udonenogure1 他の皆様、おはようございます。今年も今日でオシマイ、締めの生聴楽、上野にベートーベン弦楽四重奏を聴きに行く朝です。
posted at 06:04:39
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