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2011年7月21日 (木)

五所平之助「煙突の見える場所」

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椎名麟三

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お化け煙突の見える隅田川沿い下町の安い借家に住む夫婦(上原謙、田中絹代)、その二階をそれぞれ間借り又借りしている芥川比呂志と高峰秀子。前半は彼、彼女たちの生活を淡々と描く(但し、音は賑やか。新興宗教の太鼓、チンドン屋など芥川也寸志の音楽と相俟って効果的)が、田中絹代の前夫が借家に赤ん坊を無断で置き去りにしたことから急展開する。

登場人物たちは、過去の戦争の影をひきずり、また戦後の混乱の中で貧乏や生活の苦しみの中で生きている。田中絹代は空襲で夫を失い一人になった過去を持ち、高峰秀子は疎開先で兄の子供を亡くした過去を持つ。芥川比呂志は税金の取立てという仕事に疲れ果てている。上原謙もやっと持った所帯でも、カツカツの貧乏暮らしのために子供を持つこともできない。そんな中に投じられた、赤ん坊という爆弾。

結局は落ち着くべきところに落ち着く。芥川と高峰も所帯を持つことにするのだが、ラスト(朝の出勤時)が秀逸。芥川は「いつまでも君を愛し続ける」と主張するが高峰が「先のことなどわかりゃしない。出来もしないことを約束しないで」とたしなめる。ではジャンケンで決めようとしているところにバスが来て高峰はバスに乗り込み、別方向に出勤する芥川はバスの外。高峰が手を振っているところでエンディング。

お化け煙突は見る場所によって3本、4本更には2本に見える(俺の得意の「事実は立体的」の象徴だ)。だから、物事を単純に決めつけてはならない。ましてや先のことなど約束するのは不遜。バスがいつ来るのか来ないのか、来たとしても何処に行くのか、誰も断言できないのだから。

ということで、アプレゲール高峰秀子(対照的に田中絹代は過去に引きずられる女として描かれている)に共感して鑑賞終了。先のことなどわかりはしないけど「今、ここ」で私は生きる。それが刻一刻、人生を引き受ける(アンガージュマン)ということなのだ。

原作は椎名麟三(転向という屈折した過去を持つ実存主義的キリスト教者作家)。大昔に読んだけど何が言いたいのかよくわからなかった作家だ。今の俺なら理解できるような気もするが、再読する意志も気力もないのが残念である。

2011年07月20日(水)

今井正「仇討」http://t.co/SqVl29F フィナーレは余分(封建体制告発メッセージではあるが)、アバドBPOマラ10で気分転換後、五所平之助「煙突の見える場所」http://t.co/0NVFUBl 田中絹代が35歳肉感的人妻を演じているが1953年貧しき日本の記憶。
posted at 07:06:19

銀座には用事はあらず夏帽子 #jhaiku #fhaiku #haiku #kigo
posted at 08:00:20

相撲録画早回し終了。魁皇引退→琴奨菊大関/日馬富士優勝という筋書きか。大相撲はスポーツではなくて歌舞伎だと思えば腹も立たないけど。
posted at 18:11:03

ブログ拝読しました。理想・ビジョン・政策で小沢一郎を乗り越えて下さい。それしか次の総選挙で民主党が勝てる道はありません。 RT @oniken0024: 「悪党−小沢一郎に仕えて」を読んで #goo_oniken1-7-1 http://goo.gl/em74i
posted at 18:38:12

悪党―小沢一郎に仕えて 悪党―小沢一郎に仕えて
石川知裕

私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか (諏訪書房) 日本中枢の崩壊 誰が小沢一郎を殺すのか?画策者なき陰謀 この国の「問題点」  ~続・上杉隆の40字で答えなさい~ 角栄になれなかった男 小沢一郎全研究

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